

パウンダーズレストランのシェフであるフェリックス・タイに会いに行けることは、私の仕事の中でも最も喜ばしいことのひとつです。信じられないほど「オノ」(ハワイ語でおいしいという意味)なレシピを試食させてもらえるだけでなく、料理に対する情熱は人一倍で「料理こそ俺の人生だ」という賞があれば確実に受賞するであろうシェフと2時間ほどの時間を共に過ごせるのです。気がつくと、私は料理を美味しく作るコツ以上のことを学んでいるのです。まるで、宇宙の秘密が私の前に明らかにされ、体と霊の両方に栄養が与えられたかのように感じるのです。
今月は、二通りのポケのレシピを皆さまにお教えします。シェフ特製・直球ストレートポケと古代ハワイのポケです。シェフ・フェリックスに言わせれば、ポケはハワイになくてはならない食べ物ですので、ポケ・マスター自身の言葉をお借りして、ポケの歴史、調理法、少しばかりの哲学も織り交ぜてお伝えしたいと思います。-皆さんも、シェフの言葉からインスピレーションを受けることができますように!

レシピ#1
心を込めて作った直球ストレートポケ
(シェフ・フェリックスの実況解説付き)
〈材料〉
- マグロ 340g
“冷凍保存されていたものや、一酸化炭素ガス処理をされていたものは避けるほうが好ましいです。”
- キッコーマン醤油 大さじ1+小さじ1
“なぜ僕がこの醤油を自分の料理に使うのを好むのかを説明しようとしたら、もうひとつ新たなブログ記事を書かなきゃいけなくなるよ。”
- 純正ごま油 大さじ1
“品質が全てだよ!”
- 海塩 およそ小さじ ¼
“この計量はかなりゆるーい感じなんだ。-真の計量は、料理にどれだけの愛を込めるかにかかっているんだ…このシンプルなレシピに作り手の魂を込めれば、何がどれくらい必要なのかわかるようになるはずだよ。”
その他、任意の材料を、味の好みによって加えても良いでしょう。これをひとつまみ、あれを少々、といった具合に。ただ、魚の味を負かさないように気をつけてください。味を引き立てるように心がけましょう。
お好みによって加える材料の例:海苔、シーアスパラガス、スイートオニオン、ワケギ、キュウリ、ガリ、揚げエシャロットなど。コリアンダーやレモンの皮をふりかけるのも手です。
“…..それぞれの至高の味を追求する可能性は無限大だよ。”

作り方
- 魚をサイコロの形になるよう垂直に切ります。
- 切った新鮮な魚をボウルに入れます。
- 醤油、ごま油、その他お好みの材料を加え、よく混ぜます。
- 海塩を加えて味を整えます。
魚の正しい切り方

肉を切る時にも同じことが言えますが、魚、特にポケ用の刺身を切るときは、必ず繊維に対して直角になるように切ってください。筋肉の繊維を断ち切ることによって、魚肉がさらに柔らかくなります。ポケを作る時には、魚が柔らかくなるまで待ちましょう。ここハワイでは、赤身をポケに使用するのが望ましいでしょう。しかし、アメリカ本土にあるほとんどの店では、冷凍されたアヒの切り身を入荷しています。
ご飯のお供にもピッタリですし、サラダに入れても美味しいです。もちろん、そのまま食べても美味しいですよ!他の食べ方?トルティーヤチップスをスプーン代わりにして、すくってポケを食べてみて!

ポケは、二日間冷蔵保存が可能です。それを過ぎたら、残った魚は加熱してお召し上がりください。炒めてチャーハンに加えるのも良いでしょう。麺類やスープに加えるのもお勧めです。
レシピ#2
古代ハワイのポケ

もし、本当に古代に作られていた伝統的なポケを食べたいのなら…
醤油のことは忘れてください。
アヒのことも忘れてください。
代わりに、珊瑚礁に生息する新鮮な魚:クム(ヒメジ)、ウフ(ブダイ)、オノ、マオナ、カハラ(カンパチ)、ウク(アオチビキ)、ハタ、マヒマヒなどを手に入れましょう。
リム(海藻)と海塩を加え、味を整えます。ロースト・ククイナッツ(ククイナッツを細かく砕き、炒ったもの)をふりかけます。(マカダミアナッツと違って、ククイナッツは油分を多く含み、加熱すると良い香りがします。)
それだけです。シンプルで美味しいですよ!