ニュージーランドの小説家ケリ・フルメが書いた本、「ボーンピープル」、を読んで以来、私はマオリの象徴やタトゥー、とりわけ、それらが意味している事に魅了されてきました。顔面に施すタトゥーは未だに多少、恐ろしいですが、その模様はいまだに私の心を捉えて離しません。ロビー・ウィットモアによると、古代のマオリ文化において、頭は体の中でもっとも神聖な部位だと考えられていました。マオリの中で高貴な人々は皆タトゥーがあり、逆にタトゥーがない人は社会の中で最も位の低い人々だと考えられていました。モコ(マオリ語でタトゥー)は現代社会でいう、身分証明書のようなものです。モコがその人の階級やステータス、権力、家系を表していました。ウィットモアによれば、顔に施すマオリの伝統的なタトゥーには8つの区分があると言います。
Ngakaipikirau | 額の中央 | 社会的な階級を表す |
Ngunga | 眉毛の周り | 人々の地位を表す |
Uirere | 目と鼻のエリア | 政治的な立場 |
Uma | こめかみ | その人が一度結婚してるか、または2度結婚してるのか |
Raurau | 鼻の下 | 本人独自のタトゥー(署名的な意味合いもある) |
Taiohou | 頬 | 職種 |
Wairua | あごの先 | 達成した事 |
Taitoto | あご全体 | 出生地など |

部族によって異なりますが、顔の左側は父方の家系をあらわし、右側は母方を表すといったように、マオリの人々は顔の各部分を、先祖や家系を表すために使いました。

ウィットモアは言います。「血統はタトゥーを入れる前、まず初めに重要になることです。父親、または母親の家系が社会的な立場が高くない場合、そのサイドの頬には何もタトゥーを彫りません。同様に、額の中央に何もタトゥーが無い場合、それはその人には何も階級が無いことをあらわしています。そのようにして、その昔、顔に左右対称のタトゥーがあることはとても稀なケースでした。」
タトゥーのデザインは武器や衣服といった日常のありふれた物にまで及ぶようになりました。最も彫刻の材料として人気が高かったヒスイと木材です。これらの素材は古代からの力を蓄えていると信じられてきました。一般的なデザインとそれらの意味は下記に記してあります。(下のほとんどの情報はZealand Tatooというウェブサイトから見つけることができます。)

コル(マオリ語でスパイラル)は新しい始まりや成長、調和を象徴しています。巻き上がった植物のシダがモデルとなっています。

この8のような形をしたマークは人生、または永遠を象徴しています。

ヘイマツ(釣り針)は繁栄や決意、力、健康を象徴しています。

このマークは例え様々な紆余曲折があっても2人または2つの文化が永遠に協力することを意味しています。

パカティ(犬の皮で作られたマント)は戦士、力、勇気などを意味します。

タラタエカエ(クジラの歯)は他のクジラに関する象徴と同様に力や繊細さを表しています。

ウナウナヒ(犬の皮)は豊かさと健康を表しています。

アフアフマタロアはスポーツにおける達成したことや才能を表しています。また、新しい挑戦を意味しています。
私が、これらの文化的なデザインの意味を学んだ後、マオリの象徴的なデザインに対する恐怖心は尊敬へと変わりました。