ポリネシアカルチャー

モアニケアラ・フラ・フェスティバル2019

モアニケアラ・フラ・フェスティバル2019-祝典と学びの1週間


 ハワイのフラに魅了された人々は、世界中の至る所にいます。真剣にフラに取り組む方々は、クム(先生)に対して深い敬意を抱いています。ハウマナ(生徒)は、フラのスタイル、伝統、クムの評判などを考慮に入れて自分の入りたいハラウ(学校)を選び、仲間に入っていきます。ハワイでは、生涯にわたって同じハラウに通い続けるハウマナも少なくありません。ケイキ(子供)クラスから始まって、クプナ(年配の方)クラスまで進級していくわけです。 

 フラの知識というのは、長年に渡る厳しいトレーニングとパフォーマンスの場数を踏んでいくことで継承されていくのが伝統となっています。クム自身も、自身の師事するクム(自分自身の家系にいる人物である場合もよくあります。)から同じように学んできたのです。もし、自分と血縁関係のないクムに師事するとしても、クムがそれぞれフラの系図を遡るのは珍しいことではありません。 

 クムの中には、自身の決断によって、最も優秀な生徒をウキニ(卒業)させることがあります。ウキニした生徒は、オラパ(踊り手)になることもあれば、ホオパア(チャントを唱える者)になることもあります。さらに、新しいクムになる場合もあれば、その全てを行う場合もあります。そのような卒業生が、生涯にわたって自分のフラ・ブラザーやフラ・シスターについて語るのを聞くのは、よくある光景です。また、ほとんど例外なく、自分を教えてくれたクムに対して深い忠誠心を抱いており、クムから学んだ伝統を引き継いでいくのです。

ポリネシア・カルチャー・センターのハラウ:フイ・ホオウル・アロハ

 ポリネシア・カルチャー・センター(以後PCC)のハラウであるフイ・ホオウル・アロハは、第29回モアニケアラ・フラ・フェスティバルの最終日に、新しいフラ・マウンド(古代に起源する低いステージ)で初めて公にフラを披露しました。

 ”アンティ” サリー、モアニケアラ・フラ・フェスティバルで称えられる

エレン・ゲイ・デラ・ローザ

 エレン・ゲイ・デラ・ローザは、アンティ・サリーの姪にあたり、フラの卒業生の一人でもあります。 2019年9月7日、PCC内ハワイ村において、一週間にわたって開催された第29回モアニケアラ・フラ・フェスティバルが締めくくられました。このフェスティバルは、初代クムフラであるサリー・モアニケアラオナプアナカマヒナ・ウッド・ナルアイ(後にアンティ・サリーと呼ばれ親しまれた人物です。)の功績を称えるために始まりました。現在のクムであるポマイカイ・クルーガーは、ライエとマウイでフラとゆかりのある一族の一員である青年です。クルーガーは、PCCのクムフラを引退したエレン・ゲイ・ケクアオカラニ・デラ・ローザに、叔母であるアンティ・サリーにまつわる予備知識を分かち合ってくださるようお願いしました。 

 デラ・ローザによると、アンティ・サリーはマウイ島で生まれましたが、カハナの近くで育てられました。若い頃は、パフォーマーとして広く旅をしました。1963年に、カネオヘにある自身のフラ・スタジオをたたみ、PCC初代クムになることに同意しました。「アンティ・サリーは、センターのために実に多くのことを成し遂げました。」と、デラ・ローザは語りました。アンティ・サリーは、1980年にPCCから引退しましたが、2000年にこの世を去るまで、フラ・コンサルタントとして貢献し続けました。 

 およそ30年前に、デラ・ローザの姉であるビクトリア・ケクアオカラニ・マリテラギ(通称サンデイ)が、モアニケアラ・フェスティバルを始めるようにセンターを説得しました。マリテラギは、まだ高校2年生だった頃に、PCC初代オリジナルメンバーとしてフラを踊るべく選ばれたのです。後に、マリテラギは、アンティ・サリーを後見人として、フラ・ブラザーであるキース・アヴァイとサイ・ブリッジズ、妹であるデラ・ローザと共にウキニ(卒業)することになりました。マリテラギは、アンティ・サリーの後押しもあり、1981年に子ども向けのハラウを自身で運営していくことになりました。その期間のほとんどを、カフク・ハイスクール近辺で働くことに費やしました。マリテラギのグループは、特別な計らいにより、PCCで練習を積み重ねていきました。 

 デラ・ローザが「私の一族を代表して、アンティ・サリーを称えてくださったハワイ村に感謝の意を表したいと思います。」と語ると、「ありがとうございます、アンティ・エレン・ゲイ。」とクルーガーが答えました。「私たちを育て、教えてくださったクプナの方々はとても大切です。クプナの皆さまの人生の物語を忘れず、語り継いでいきたいと思います。」

PCC内のハワイ村、新しいパ・フラの除幕式を行う

 フェスティバルを締めくくるにあたり、最後の捧げ物としてのフラを始める前に、クルーガーは、ハワイ村の新しいパ・フラ(古代の起源に忠実に再現した、地面より少しだけ高いステージ風のマウンド)を奉献しました。

ポリシア・カルチャー・センターの新しいフラ・マウンド

 PCCクムフラのポマイカイ・クルーガー(左)は、PCC内ハワイ村に新設された「パ」(古代に起源を発するフラ・ステージ)上で伝統的な祝福を捧げる儀式を行いました。この新しい「パ」は、センター内にあるイエイエという植物の葉の名前を取り、「ウルラウイエイエ」と名付けられました。  クルーガーは、新しい「パ」ウルラウイエイエと名付けられた由来を説明しました。「『ウル』はハワイ語で育つ、成長するという意味があります。『ラウイエイエ』イエイエの葉という意味です。ハワイの文化において、この植物はとても重要です。イエイエの蕾は高貴な誕生を表し、ラカ(フラの古代の女神)にとって神聖でした。この植物の葉は、(PCCが所在する)ライエという町の名前の由来にもなっているのです。」

PCCを引退したクム・フラのキース・アヴァイが、2019年モアニケアラ・フラ・フェスティバルにおいて即興のフラを共有しました。

 PCCを引退したクフラのキース・アヴァイが、2019年モアニケアラ・フラ・フェスティバルにおいて即興のフラを共有しました。 

 「このステージが、与えられた名前に相応しく、フラを素晴らしい状態で次の世代へ伝える人々にとって高められる場所となりますように。」さらに、アヴァイはこのように言いました。「生徒たちが、練習の全ての成果と成長を、このステージ上で十分に発揮できますように。世界中から訪れるお客様にフラレッスンを教えることになる場所でもあります。お客様が、私たちから学び、交流することになります。お客様のためのスペースにもなるのです。」 

 クムフラであり、PCCを引退したキース・アヴァイが、この日を締めくくるにあたり、祈りの中でこのように願いました。「このフラのプラットホームが、文化的実践の知識を共有し、学ぶ機会を提供するスペースとなるだけではなく、何よりも、フラを楽しむための場所となりますように。」

フラダンサーたちの出番

 ハワイ人たちは、どのようにクムとフラに敬意を表すと思いますか?もちろん、それぞれのハラウが、美しいハワイアンミュージックとフラを共有し合うことによってです。クルーガーは、初めに、ポリネシア・カルチャー・センターのハラウであるフイ・ホオウル・アロハを召集しました。40年近く前に始まったこのハラウは、PCC内のハワイ村で働く村人たち、ブリガム・ヤング・大学ハワイ校の生徒たち、地元のダンサーたちで構成されています。 

 カルチャー・プレゼンテーション担当であるPCC副社長デルサ・アトア・モエは、「フイ・ホオウル・アロハは、マウイ島で最近行われたフラコンペティションで総合優勝を取りました。男性グループのカヒコ部門・アウアナ部門で1位を獲得し、ボー・シュエンクも、男性ソロの部で勝利しました。ケルシー・サイフォロイ・マウアイは、去年女性ソロの部で勝ちました。」と強調しました。 

 さらに、モエは、クルーガーが「ハラウの基礎を据える作業をしながら、今年は男性ダンサーだけをコンペティションへ連れて行きました。去年に引き続き今年も、プリンス・ロット・フラ・フェスティバルに参加しました。」と付け加えました。 

 1曲目に、伝統的なフラを「現代を生きる全てのハワイ人たちと、ハワイ諸島を故郷とする全ての人たちを呼びかけるものとして」披露しました。「このフラは、私たちがいつも先祖とつながっていることも思い起こさせてくれます。」と、クルーガーは語りました。 

 2曲目に、PCCハラウは、ハワイ村のマネージャーであるナアアウアオ・パネエが作曲したオリ(チャント)を行いました。このオリは、村人たちが手を使って働き、先祖のストーリーを伝える様子を描いたものです。 

 「私たちは、一致して共に取り組みます。謙虚さを忘れることなく、私たちの民族のために、この国の誇りのために。」と、クルーガーは語りました。

参加ハラウ

  • カ・パ・ナニ・オ・リリノエ(オアフ島アイエア)クムリリノエ・リンジー . . . モアニケアラ・フェスティバルに何年も前から参加している常連ハラウです。
  • カヴァイプイラニ(オアフ島ハレイワ)クムキース・アヴァイ
  • フイパーク・フラ・スタジオ(カリフォルニア州トーランス)クムイカイカ・デュトロ
クムであるケケラ・ミラー(写真前列中央)率いる地元ライエのフラ・ハラウ・オ・ケケラは、頻繁にポリネシア・カルチャー・センターとコミュニティの活動をサポートしています。
  • フラ・ハラウ・オ・ケケラ(オアフ島ライエ)クムケケラ・ミラー
  • ハラウ・イ・カリマクヒラニ(オアフ島カフク)クムTCクヒ・アーヴァイン-プレストン
  • アンクル・リンカーン・ウクレレ・ハラウ(カリフォルニア州サンクレメンテ)クムリンカーン・カイオ(もともとライエ出身の方です。)
  • PCCのハラウであるフイ・ホオウル・アロハも、この日のプログラムの最後を飾るため、再びパフォーマンスを披露しました。. . .数名のクムの方々も、アンティ・サリーの名前の歌である「モアニケアラ」を踊りました。

 クラフトフェア、ハワイアン料理の屋台、新鮮なパイ・アイ(茹でたカロ〔タロイモ〕をすりつぶしてポイにする前の段階の食べ物)も、フェスティバルにお目見えしました。

その他のイベント

  • フキラウ・フィッシング(ロバート・カハヴァイとその家族の指導のもと、クリソルドズ・ビーチで地引き網が行われました。)
フェスティバルのオープニング・フキラウ・イベントでは、素晴らしい天気に恵まれました。
  • ラウハラ(パンダナスの葉を使って作られた伝統工芸品)を編むワークショップ
  • ポマイカイ・クルーガーによるフラレッスン
  • カヴィカ・エスカランによる古代ハワイ式カヌー航海術
  • ポマイカイ・セレネイダーズエイ・ネイをメインゲストに迎えたコンサート
センターで行われたラウハラ教室。
ポリネシア・カルチャー・センターで開催されたモアニケアラ・フラ・フェスティバル2019のイベントの一環として、ポマイ・クルーガーによるフラのワークショップが行われました。

   コートヤード・バイ・マリオット・オアフ・ノースショア・ホテルで、以下のイベントが行われました。

  • オープニング・セレモニー
  • キモ・ハッシーによるウクレレ教室
  • ハアヘオ・ハワイアン・クラフトのロカヒ・オリアンによるニイハウシェルレイ作り
  • クムフラであるペレ・カイオによるマウナケアの状況に関するワークショップ(タートル・ベイ・リゾートでもセッションが行われました。)
  • カネオヘにあるパパエ・オ・ヘエイア・フィッシュポンドのケリイ・コトベティによるハワイアン・フィッシュポンド(ハワイの養殖池)についてのワークショップ
  • ライエのヴォン・ローガンの指導によるイム(ハワイ式オーブン)のプレゼンテーション
モアニケアラ・フェスティバル2019で行われたイム・ワークショップの様子。
モアニケアラ・フラ・フェスティバルの一環として、ウクレレ奏者がカニカピラのためにタートル・ベイに集まりました。

 ウクレレ愛好家たちが、カニカピラ(即興のジャムセッションで生み出されるハワイアンミュージック)のためにタートル・ベイに集まりました。
 

 来年30回目を迎えることになるモアニケアラ・フェスティバルが今から楽しみです。ぜひ、来年フェスティバルにいらしてくださいね。

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