
PCCを訪れる方々の多くは、マウナケア山でのKu Kia’i Maunaのデモ活動と、この問題に関するポリネシア・カルチャー・センターの立場に関心を持っています。

PCCのCEOであるアルフレッド・グレイスは、最近開かれたPCC従業員との集会で、マウナケア山の新しい天体望遠鏡(TMT天体望遠鏡)建設に対する平和的なデモ活動を支援するとして、その理由を説明しました 。 この問題の重要性を考慮して、PCCのHA:ブレス・オブ・ライフ(イブニングショー)のキャストメンバーはPCCがデモを行っている人々をサポートする理由を簡潔に説明し、ハワイ村でもこのデリケートな問題に関して、訪問者の質問にオープンに答えています。「訪問者の反応は好意的でした」とグレースは言いました。

センターの立場を説明するグレース会長ニュージーランド北島のタウポ地方出身のマオリ人であるグレースは、マオリの聖歌を唱えることで話を始めました。 聖歌には、トンガリロ(私の山)への言及が含まれています。彼は、ポリネシア・カルチャー・センターがデモ活動を支援する理由として以下の事を挙げました。
- 「デモ活動に参加している人々の願いは、伝統的に神聖な場所、空の父が住む山(マウナケア山)を守ることです。」
- 「彼らはデモ活動を合法的かつ文化的に重要な方法で行っています。」
- 「彼らは、クプナ(長老)と文化指導者によって導かれ、法律を遵守し、訪問者、政治的に反対の立場をとる人々にアロハ(思いやり、調和、善意)を注いでいます。 彼らのカプアロハのデモンストレーションは、PCC独自の設立原則と一致しています。」
グレイスは、「ポリネシアの文化、芸術、工芸をユニークかつ啓発的な方法で人々に伝え、次の世代へ残していくことがPCCの主要な使命である」と述べました。彼はまた、ポリネシア・カルチャー・センターは遊園地ではないと述べました。 PCCは生きた博物館です。 ゲストは異文化を学ぶためにここに来ています。 彼らはここでポリネシアの世界を体験するのです。 従業員も、ポリネシア人であるとはどういうことかを学びながら働きます。「カプアロハ(神聖な方法でアロハの精神を人々と分かち合う)の精神は、新しい天体望遠鏡建設に反対する人々を応援する決断を下す上で、非常に重要な役割を果たしました。」 「カプアロハはマウナケア山を訪れる人々を高め、元気づけてくれます。抗議活動をこの精神に乗っ取って行うことはとても大切です」とグレースは付け加えました。 「カプアロハは私達がポリネシア人である上でとても大切な事ですし、私達はこの精神をいつもよく覚えておかなければなりません。」 グレースは平和的な抗議に対する憲法上の権利を含め、カプアロハを実践しているポリネシア人を引き続き支援し続けると述べました。

神聖な山

集会の始めに人事部のディレクターでありニュージーランドのタウポ地方出身のマオリ人であるシェーマス・フィッツジェラルドは、歴史を通じて、山はキリスト教を含むほとんどの先住民や世界の宗教にとって神聖であると説明してくれました。 彼は世界の様々な地域にある神聖視されている山々の写真を見せてくれました。その中にはエルサレムにある神殿の丘や富士山、モーセが神とお話しをしたといわれるシナイ山などが含まれていました。 彼は次のように指摘しました。「何世紀も前に最初のハワイ人が南東からビッグアイランドに近づいた時、彼らが見たであろう最も高い山はマウナケア山でした。最初の住民はその山に登り、頂上に祭壇を建てたことでしょう。彼らはそれをマウナケア:空の父が住む山、と名付けました。」 さらにフィッツジェラルドは、「マウナケア山はハワイ人にとって神聖だと人々が言っているのを聞いて、心が少し痛みます」と付け加えました。 マウナケアは私たち全員にとって神聖でなあるべきものです。 神だけにとっての神聖な場所でしょうか? 私たちはマウナケアでしょうか? 全世界はマウナケアです。」 フィッツジェラルドは、PCCの一員であることに感謝しています。 「私達にはPCCを訪れる全てのゲストにポリネシア人が数千年に渡って築き上げてきた文化と歴史を伝えるクレアナ(責任、特権)があり、この仕事に携われることに感謝しています。」彼はまた「私達が神聖だと信じている場所に対して感じている事や考えていること人々に分かち合う事を恐れないでください。」と仲間の従業員達に呼びかけました。
ハワイの歴史

集会の始まった頃に、ハワイアンビレッジのマネージャーであるテリー・ナアウアオ・パニーは、一部の訪問者がマウナケアで何が起こっているかに関心をもっているという報告を受けました。 彼は次のように述べています。「ハワイ人の多くはアロハアイナ(故郷への愛)を感じています。またハワイには本国の軍事支援を受けたアメリカのビジネスマンが1893年にハワイの君主制を解体させたという歴史があり、未だにそのことを快く思ってないハワイ人達がいます。」 アメリカのビジネスマンは1895年にハワイ王国を解散させ暫定政府を形成しました。1898年に暫定政府を併合するようアメリカに働きかけ、1900年にハワイはアメリカの準州となりました。半世紀以上経った1959年8月21日にハワイは50番目の州となりました 。しかし転覆の合法性と元王族の土地の処分と使用(マウナケア山頂を含む)に関する質問は、今日でも正当性が疑われています。
「なぜ人々は抗議しているのでしょうか?」とパニーは人々に問いかけました。「それは天体望遠鏡建設に限ったことではありません。何であろうと、彼らは神聖な山を冒涜するようなことをして欲しくないのです。 彼はそれから初期の天体望遠鏡のほとんどは適切な許可なしに建設されたことを言及しました。 「州の監査により、過去に州政府のずさんな管理があったことは明らかです。現在、マウナケア山にあるどの天体望遠鏡も、建設される時は反対がありました。そのため、この問題はなにも新しいことではありません。 しかし彼は再び尋ねました。「いつになったら彼らは神聖な山を軽視するような事を止めてくれるのでしょうか? すでに一部のハワイ人はマウナケア山を守るために立ち上がっています。 私達も彼らと共に立つべきです。」 彼は今回の件と過去にあったケースの大きな違いがカプアロハの実践だとするグレースの意見に同意しました。 「過去には、すべてが対立的でした。 今回は、クプナ(長老)が教えてくれたように、みんながアロハの精神(相手を思いやる心、誠意、謙虚な心)に基づいて人々に接してます。」 「過去数週間に山を訪れた人と話をするなら、純粋なアロハがそこにあったと彼らは言うでしょう。」とパニーは続けた。 「そして、すべてがカプアロハの精神のもとで行われることを忘れないでください。」

一方、ライエと他の近隣のコミュニティメンバーは、最近、マウナケアの「保護者」のために、カメハメハハイウェイ(ポリネシア・カルチャー・センターの前)に沿って支援する活動を行いました。
いくつかの言葉の定義と背景情報
- ハワイ島にあるマウナケア山は標高が4,207mもあり、ハワイ州だけでなく太平洋の島々の中で最も高い山です。 海底から測ったマウナケア山の標高は10,210mで、世界で最も高い山です。
- マウナケア山は冬には山頂が雪に覆われ、マウナケアという名前も一般的には「白い山」と訳されています。しかし、より伝統的な翻訳は、古代名のマウナアワケアとしており、これは「空の父が住む山」という意味があります。今も昔も、この山はハワイ人にとって神聖な場所として愛されてきました。
- アロハアイナは、文字通り「土地の愛」、または土地を管理する責任(クレアーナ)を意味します。
- ハワイのクー・キアイ・マウナは「山(マウナ)を守る(キアイ)立ち上がる(クー)」の代名詞です。デモンストレーターは、単にキアイ-プロテクターと呼ばれることもあります。
- カプアロハ:ハワイの伝統的な標準または条件。 すべてのキアイ(この場合マウナケア山を守ろうとしている人々)と訪問者は、すべての人をアロハで扱い、特定の「愛の精神」に従う必要があります。たとえば、時にこれらのルールは、対立、喫煙、飲酒、宣誓などの行動を禁止を意味しています。
- クレアナ:特定の責任を遂行する特権。
- カナダ、中国、日本、インド、米国などの組織は、保留中の10億ドル以上の30メートル(可視光)天体望遠鏡に資金を提供しています。 完成すると、1968年にマウナケア山頂に点在し始めた他の10個の天体望遠鏡(および3つの廃止された望遠鏡)の合計よりも大きくなります。
- ハワイ大学とハワイ州の他の部門は、マウナケア山頂にある天文複合施設の監視を共有しています。

このテーマについてもっと知りたいPCC訪問者は、ハワイ村の従業員からさらに詳しい話を聞くことが出来ます。 以下のリンクからPCCナイトショーでのマウナケアのサポートのビデオクリップをご覧になれます(英語)。